最近、「福祉が変わる、医療が変わる」という本を読んで感動した。朝日新聞の社説を担当して、福祉と医療に関する論説や記事を書き続けてきた大熊由紀子さんが、読者の要望に応えて、ぶどう社から出版したものである。庶民の目線に合わせ取材し、十年余に渡って書き続けたものをまとめ、行政や法律がいかに変遷してきたかを参考資料をつけて解説している。高齢化社会に向けて進められている厚生省のゴールドプランも、実はこの原型は彼女の論説に依るところが多い。
メディアが世の中を変えた例としては、文芸春秋で「ロッキード事件」を追求連載し、田中角栄の失脚まで追い込んだ、立花隆の論文。40年間続いた自民党単独政権の終焉と細川新内政権の誕生まで、世論を喚起した田原総一郎や竹村健一のテレビ番組がある。マスメディアを活用することにより、政治も大きく変えられる。
確実にやってくる今後の高齢化社会に向かって、政治と行政には的確な方策をとってもらわなければならない。内外の批判に応えて、橋本政権は大幅な行・財政改革に取り組むという。菅直人・前厚相のように、各大臣が担当の省庁のおもいきった改革を断行しなければならない。
大熊さんが社説を通じて訴え続け、21世紀へ向けて福祉と医療が変わって行く。まさに、「ペンは剣より強し」。成熟型社会に向けて、また世界の中の日本の役割について、的確な方針をメディアが訴え続けて欲しい。
多明功、97.3.15
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